弁護士神永のコラム

2016.05.24更新

こんにちは。
町田神永法律事務所の弁護士の神永矩誠(かみなが・のりあき)です。

 

交通事故についてです。
相談を受けていて「後遺症診断書の書き方と医師に後遺症診断書を書いてもらう方法を教えてほしい」という質問を受けることがありますので、以下説明していきますね。

 

まず、この後遺症診断書の登場場面ですが、交通事故の被害者が、治療費や休業損害等を請求できるのは、症状固定のときまでです。症状固定以降の治療費や休業損害等は、請求をすることは原則としてできません。

しかし、症状固定とは、治療の効果がなくなってしまったと医学的に認められる時点であって、症状がなくなったときではありません。

そのため、症状固定後に痛みなどが残存してしまった状態をどのように賠償させるかが問題となり、これら症状固定後の損害を加害者等に請求するためには、原則として症状固定時に残存した症状について後遺障害の認定を受ける必要があります。

この後遺障害等級認定の申請には、いくつか必要書類がありますが、そのひとつに「後遺障害診断書」がでてくるというものです。それでは、順番に説明していきますね。

 

1.後遺障害診断書とは


「後遺症診断書には何が書かれているの?」と質問をうけることがあります。 

後遺障害診断書には、以下のような情報が記載されることになります。

・患者の氏名、性別、生年月日、住所、治療開始日、受傷日、傷病名、入院期間又は通院期間、既存障害、症状固定日、総通院期間及び総入院期間、実通院日数、自覚症状、各部位の後遺障害の内容、傷害内容の増悪・緩解の見通し

 

2.後遺障害診断書を書くのはドクター


 

「後遺障害診断書は誰が書くのか」と質問を受けることがあります。

 診断書のひとつですので、ドクター(医師)が記載することになります。整骨院では書いてもらえない点に注意が必要です。

複数の障害が発生し、障害が複数の診療科にまたがるような場合には、後遺障害診断書も各ドクターに書いてもらうことになります。

このように後遺障害診断書はドクター(医師)に書いてもらうことになるので、整骨院のみならず、必ず整形外科へ通うようにしましょう。

整骨院の方が通いやすい等の理由で、整骨院だけに通院していると、後遺障害診断書を作成してもらおうと整形外科に行っても、整形外科に通っていなかったので、ドクター(医師)にも患者のこれまでの症状の経緯がわからないことから、後遺障害診断書の作成を断られてしまうことがあるので注意が必要です。

 

3.後遺障害診断書の取得方法


 

病院が後遺障害診断書の用紙を持っていればよいのですが、持っていない場合には、保険会社からもらうか、弁護士を頼んでいるのであれば、弁護士からもらいましょう。

インターネット上でも後遺症診断書をダウンロードできます。

 

4.後遺障害診断書の記載される「自覚症状」の伝え方


 

患者自身の訴える症状を記載する欄です。後遺障害等級認定の可否を判断する上でのポイントですので、どの部位にどのような症状があるかを正確に医師に伝えるようにしましょう。

右手がしびれる、頭が痛い、頚部が痛いなど、具体的に伝えることが多いです。

誰が言ったのか分かりませんが、「雨の日は古傷が痛む」というように、「雨の日になると痛い」という方がいますが、これだと、本当は常に痛みがあるのに、「通常時は痛くなく、雨の日だけ痛い=大して痛くない」となっていまう危険性があります。

この場合は、「常に痛く、雨が降ると特に痛みが強くなる」というように述べる方が正確ですね。

 

5.後遺障害等級認定を獲得しやすい後遺障害診断書を作成してもらうためのポイント


 

後遺障害の認定は、基本的に書面などにて行われますので、後遺障害診断書の記載内容が非常に重要です。


そのため、症状を適切に記載していない後遺障害診断書が作成されたために、本来該当すべき後遺障害等級よりも低い等級や、そもそも該当しないという認定になってしまうということがおきます。

後遺障害の該当の有無などは損害賠償請求の額を大きく左右するので、診断書を作成してもらう場合は注意が必要です。

以下では、ポイントを簡単にあげてみました。
①自覚症状を正確に伝える。
②後遺障害診断書の記載内容については医師の判断に任せる。
③医師の作成後、記入漏れがないか確認する。もし記入漏れがあれば医師に追記を依頼する。

全てのドクターが詳しいというわけではないので、後遺障害診断書を作成した経験がある医師に作成してもらうほうがよいと思われます。
そのため、病院選びも重要となります。

以上のように作成する後遺障害診断書ですが、5,000円から10,000円程の作成料が発生し、立て替えなければならないことも少なくありません。
また、後遺障害等級に該当しない結果となると、立て替えた後遺障害診断書料の支払を拒否されるケースもあるので注意が必要です。

最後に、医師に後遺障害診断書の依頼してから完成までに概ね2週間前後の時間がかかると思っておくのが良いと思われます。

 

参考にしてみてください。

ご不明なことについては、遠慮なくご相談ください。

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投稿者: 弁護士神永矩誠

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